Skip to content

正社員とパートの違い|同一労働同一賃金と待遇差の説明を求める方法

待遇差は説明できるものでなければなりません。均衡待遇と均等待遇の違い、説明を求める権利、相談窓口を整理しました。

正社員 パート 違い
Advertisement

同じ売場で、同じレジを打ち、同じ時間に品出しをしている。それなのに手当も賞与も違う。求人を見ている段階でも、働き始めてからも、多くの人が引っかかるところです。

この違いは「そういうものだから」で終わる話ではありません。パートタイム・有期雇用労働法は、正社員との間に不合理な待遇差を設けることを禁止しています。

Advertisement

そして、この制度でいちばん使い道があるのは、禁止規定そのものより次の一点かもしれません。待遇差の内容と理由について、労働者は会社に説明を求めることができる。しかも会社には、求められたら説明する義務があります。知っているかどうかで、確認できる範囲がまるで変わります。

正社員とパートの違いを確認する 💰 勤務地の最低賃金以上 かんたん応募
応募方法を見る ↗
↗ 公式の採用ページへ移動します
正社員とパートの違いを確認する
待遇差は説明できるものでなければなりません。説明を求める権利が定められています。
⏱️ 正社員・パート📍 全国(勤務地による)
📚 サイト内でもっと読む
企業別の求人一覧 → 目的別の仕事の探し方 →
→ このサイト内で移動します

以下では、法律上の区分、禁止される待遇差の考え方、説明を求める手順と窓口、そして2026年10月1日から適用される改正内容を順に見ていきます。個別の事案の結論は事情によって変わるため、この記事だけで判断せず、最後に挙げる公的な窓口で確認してください。

Advertisement

「パート」「アルバイト」は法律上の区分ではない

まず整理しておきたいのが呼び方です。厚生労働省の「多様な働き方の実現応援サイト」によると、パートタイム・有期雇用労働法が対象とするのは次の労働者です。

ひとつはパートタイム労働者で、1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者に比べて短い労働者を指します。もうひとつは有期雇用労働者で、事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者です。

Advertisement

同省は、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、名称にかかわらず上記に当てはまる労働者であれば法の対象になると明記しています。会社が独自の呼称を使っていても、法律上の扱いは呼び名では決まりません。

法律が目指しているもの

厚生労働省によると、パートタイム・有期雇用労働法は、パートタイム労働者・有期雇用労働者について、同一企業内の正社員との間で均衡のとれた待遇の確保を図ることを目指しています。

Advertisement

いわゆる同一労働同一賃金に関する規定は2018年6月末の改正で整備され、2020年4月1日に施行されました。中小企業への適用は2021年4月からで、この時点で全面施行となっています。

整備された内容は三つです。不合理な待遇差の禁止、労働者に対する待遇に関する説明義務の強化、そして裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備です。

Advertisement

禁止されているのは「不合理な」待遇差

同省の説明によると、同一企業内において、正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることは禁止されています。

規定は二つに分かれます。内容を整理すると次のようになります。

規定内容条文
均衡待遇規定個々の待遇ごとに、職務内容/職務内容・配置の変更の範囲/その他の事情のうち、その待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して、不合理な待遇差を設けることを禁止する法第8条
均等待遇規定職務内容と、職務内容・配置の変更の範囲が正社員と同じ場合は、パートタイム労働者・有期雇用労働者であることを理由とした差別的取扱いを禁止する法第9条

同省の説明では、対象となる待遇には基本給、賞与、役職手当、福利厚生、教育訓練などが含まれます。職務内容とは業務の内容および責任の程度を指し、その他の事情には職務の成果、能力、経験、事業主と労働組合との交渉の経緯などが挙げられています。

ポイントは「説明できるかどうか」

この法律の考え方を一言でまとめると、待遇に差があること自体が直ちに違法なのではなく、その差を職務内容などの違いで説明できるかどうかが問われる、ということです。

厚生労働省は事業主向けのQ&Aで、個々の待遇が正社員と同一かどうかを確認し、待遇が異なる場合はその理由が職務内容や職務内容・配置の変更の範囲などの違いで説明できるかを確認するよう求めています。説明できないと考えられる場合には、待遇の改善を検討するよう促しています。

労働者の側から見ると、これは重要な意味を持ちます。会社は待遇差について説明できる状態にしておく必要がある、ということだからです。

待遇差の理由は説明を求めることができる

ここがこの制度の中心です。厚生労働省によると、パートタイム労働者・有期雇用労働者は、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主に対して説明を求めることができます。

そして事業主は、求めがあった場合には説明をしなければならないとされています。「聞いてみてもいいですか」という話ではなく、法律上の義務として位置づけられています。

同省は労働者向けの案内でも、気になる手当や賞与の支払いの違いや有無について、社長や店長など事業主に「なぜ違いがあるのか」を聞いてみるよう促しています。

何を説明してもらえるのか

説明の対象は、同省のQ&Aで具体的に示されています。内容は次のとおりです。

区分説明される内容
待遇差の内容比較対象となる正社員との間で、待遇の決定基準(賃金表など)に違いがあるか
待遇差の内容比較対象の正社員と自分の待遇の個別具体的な内容、または待遇の決定基準
待遇差の理由職務内容/職務内容・配置の変更の範囲/その他の事情のうち、その待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものに基づく理由

説明の方法についても示されています。同省のQ&Aでは、事業主は労働者が説明内容を理解できるよう、就業規則や賃金表などの資料を活用しながら口頭で説明することが基本とされています。

説明すべき事項をすべて記載した資料で、容易に理解できるものを用いる場合には、その資料を交付する方法でも差し支えないとされています。

比較の対象になる正社員は誰か

説明を求めたときに「どの正社員と比べるのか」という論点が出てきます。同省のQ&Aによると、説明の場面で比較対象となるのは、職務内容や職務内容・配置の変更の範囲などが自分に最も近いと事業主が判断する正社員です。

ただし、これは説明の便宜のための整理です。同省は、パートタイム・有期雇用労働法では同一企業内で雇用されるすべての正社員との間で不合理な待遇差の解消等が求められる点に注意するよう付け加えています。

なお、総合職と限定正社員のように、正社員どうしの待遇差はこの法律の対象ではないとされています。

説明を求めたことで不利益に扱われない

実際に説明を求めるかどうかを迷う理由は、たいてい「聞いたら気まずくなるのではないか」という点にあります。この点にも規定があります。

厚生労働省は、事業主は説明を求めた労働者に対して不利益な取扱いをしてはいけない、と明記しています。シフトを減らす、契約を更新しないといった扱いを、説明を求めたことを理由に行うことは認められません。

制度上そうなっている、という事実を知っておくことに意味があります。

説明がない・納得できないときの窓口

同省は労働者向けに、事業主に聞いても説明をしてくれないなどの場合は、国の機関に無料で相談するよう案内しています。窓口は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。

さらに、事業主と労働者の紛争解決を援助するため、都道府県労働局において無料・非公開の裁判外紛争解決手続(行政ADR)が行われます。裁判をせずに解決を図る手続きです。

いきなり紛争にする必要はありません。まず社内で説明を求め、それでも解決しない場合に公的窓口を使う、という順序が現実的です。

2026年10月1日から、ルールが改正される

制度は固定ではありません。厚生労働省によると、同一労働同一賃金の施行から5年が経過したことを踏まえ、令和7年2月から同一労働同一賃金部会で見直しの議論が行われました。

同省の説明では、令和7年12月の部会報告を踏まえた省令・指針案要綱について令和8年3月に労働政策審議会への諮問と答申が行われ、改正後の省令・指針は令和8年4月28日に公布、同年10月1日から施行・適用されます。

同省が挙げている主な改正事項は三つです。雇い入れ時の労働条件明示事項の追加(省令)、同一労働同一賃金ガイドラインの改正(告示)、そして雇用管理の改善等に関する措置内容の改正(告示)です。

このうち一つ目は、これから応募する人に直接効いてきます。同省によると、雇い入れ時の労働条件明示事項に「法第14条第2項の規定による説明を求めることができる旨」が追加されました。つまり、待遇差の説明を求められるという事実そのものが、契約時に示される情報の一部になるということです。同省は、この改正に対応したモデル労働条件通知書も公開しています。

2026年10月1日以降に交付される労働条件通知書は、この欄があるかどうかで見分けられます。求人票や社内の説明を読むときは、どの時点の基準に基づく説明なのかを意識しておくと混乱しません。

雇用形態で変わらないもの

待遇差の議論とは別に、雇用形態にかかわらず適用されるものがあります。混同しないよう分けて押さえておくと整理しやすくなります。

厚生労働省によると、最低賃金は雇用形態に関係なく適用されます。年次有給休暇も働き方の違いに関係なく、週1日以上または年間48日以上勤務し、雇われた日から6か月以上継続勤務して、決められた労働日数の8割以上出勤した場合に取得できます。

労災保険も同様で、正社員かアルバイトかに関係なく、1日だけなど短期間の勤務も対象になります。これらは「正社員ではないから対象外」という説明が成り立たない領域です。

無期転換ルールと正社員への転換

有期契約で働く場合に関係するのが無期転換ルールです。厚生労働省によると、通算契約期間が5年を超える労働契約を更新するときには、期間の定めのない労働契約への転換を申し込むことができ、この点も書面で示すこととされています。

また、2024年4月からの労働条件明示のルールでは、有期契約について更新上限の有無、無期転換の申込機会、転換後の労働条件も明示の対象になりました。

あわせて、パートタイム・有期雇用労働法では、事業主が講ずべき措置として正社員への転換の推進、労働条件の文書による明示・説明、相談のための体制の整備が求められています。

同じ日に動く、ほかの二つの制度

2026年10月1日は、パートで働く人にとって同一労働同一賃金だけの日ではありません。同じ日に、短時間労働者の社会保険加入要件から月額賃金8.8万円以上という賃金要件が撤廃されます。いわゆる「106万円の壁」がなくなる日です。

最低賃金の改定も同じ時期に重なります。ただし、こちらだけは全国一斉ではありません。厚生労働省によると、令和8年度の改定後の全国加重平均は1,177円で、発効日は都道府県ごとに2026年10月1日から12月2日の間に分かれています。

整理すると、同一労働同一賃金の改正と社会保険の賃金要件の撤廃は10月1日に全国一斉、最低賃金だけが地域ごとに順次です。「10月から全部変わる」とまとめて覚えると、自分の県の発効日を取り違えます。

制度を使うときの要点

ここまでを踏まえて、実際に使うときに押さえておきたい点をまとめます。

  • 役立つ点:呼び名ではなく実態で判断されるため、「アルバイトだから対象外」という説明は成り立たない。
  • 役立つ点:待遇差の内容と理由は、会社に説明を求めることができる。
  • 役立つ点:説明を求めたことを理由とする不利益な取扱いは禁止されている。
  • 役立つ点:解決しない場合、都道府県労働局の無料・非公開の手続きが使える。
  • 注意点:待遇差があること自体が直ちに違法になるわけではない。問われるのは合理的に説明できるかどうか。
  • 注意点:正社員どうしの待遇差は、この法律の対象ではない。
  • 注意点:ガイドラインは2026年10月1日から改正後の内容が適用される。改正前の解説記事と混ざりやすい。

まとめ

正社員とパートの違いは、呼び名ではなく職務内容と、職務内容・配置の変更の範囲、その他の事情で説明されるべきものです。説明できない待遇差は、法律上「不合理な待遇差」として問題になります。

手順はシンプルです。気になる手当や賞与について会社に理由を尋ね、就業規則や賃金表を示してもらう。それでも説明が得られない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談する。相談は無料です。

よくある質問

アルバイトでもこの法律の対象になりますか。

厚生労働省は、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など名称にかかわらず、所定労働時間が通常の労働者より短い労働者や、期間の定めのある労働契約を結んでいる労働者であれば法の対象になると説明しています。会社独自の呼称であっても同じです。

正社員と待遇に差があること自体が違法ですか。

違法とされるのは不合理な待遇差です。厚生労働省の説明では、個々の待遇ごとに職務内容、職務内容・配置の変更の範囲、その他の事情のうち適切と認められる事情を考慮して判断されます。職務内容と変更の範囲が正社員と同じ場合には、差別的取扱いが禁止されます。

待遇差の理由を会社に聞いてもよいのですか。

法律上、説明を求めることができます。厚生労働省によると、事業主は求めがあった場合に説明をしなければならず、説明を求めた労働者に不利益な取扱いをしてはいけないとされています。説明は就業規則や賃金表などの資料を活用しながら口頭で行うのが基本とされています。

会社が説明してくれない場合はどうすればよいですか。

厚生労働省は、事業主に聞いても説明が得られない場合、国の機関に無料で相談するよう案内しています。窓口は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。さらに、都道府県労働局では無料・非公開の裁判外紛争解決手続(行政ADR)も行われています。

制度が変わると聞きましたが、いつからですか。

厚生労働省によると、同一労働同一賃金ガイドラインを含む改正後の省令・指針は令和8年4月28日に公布され、令和8年10月1日から施行・適用されます。主な改正事項は、雇い入れ時の労働条件明示事項の追加、ガイドラインの改正、雇用管理の改善等に関する措置内容の改正の三つです。

改正で、応募する側に何か関係する変更はありますか。

あります。厚生労働省によると、雇い入れ時の労働条件明示事項に「法第14条第2項の規定による説明を求めることができる旨」が追加されました。2026年10月1日以降に交付される労働条件通知書では、この記載の有無が確認できます。

出典

編集メモ

この記事は情報提供を目的としたもので、個別の法律相談に代わるものではありません。待遇差が不合理かどうかは個々の事情によって判断されます。制度の内容は2026年10月1日に改正されるため、本文で挙げた厚生労働省のページで最新の取扱いを確認したうえで、判断に迷う場合は都道府県労働局の窓口に相談してください。

本サイトには広告が表示される場合があります。この記事は特定の企業・団体から依頼を受けて作成したものではなく、紹介した公的機関と提携関係はありません。都道府県労働局への相談およびハローワークの職業紹介は無料で利用できます。